「営業」といえば広告を打ったり、営業担当がお客様のもとへ足を運んだりというのがかつては一般的でした。しかし昨今では、WEBを活用した営業がその割合を広げています。
「SEO」や「コンテンツマーケティング」という言葉を耳にしたことがあるかもしれません。自社のサイトをインターネット上で検索されやすくしたり、オウンドメディア(企業が運営するWEBメディア)に有益なコンテンツを用意することによって、顧客からの信頼を獲得したりする手法です。
こうしたWEBでの営業に不可欠となる「SEO対策」についてはていねいに解説をしているサイトも多く、自社でも簡単に導入できそうな気がしてしまいますが、実際のところ、内製化はおすすめできません。
この記事では記事コンテンツ制作を内製化すべきではない理由と外注するメリットを解説し、外注WEBライターの探し方をご紹介します。さらに、記事コンテンツ制作を外注する際の注意点についても触れています。
- 記事コンテンツ制作を内製化すべきではない理由
- 記事コンテンツ制作を代行・外注するメリット
- 外注WEBライターの探し方
- 代行・外注する際の注意点
これからオウンドメディアを立ち上げる企業様はもちろんのこと、「すでに取り組んでいるけれど成果があまり出ていない」とお悩みの企業様にとっても役立つ記事となっておりますので、ぜひ参考にご覧ください。
記事コンテンツ制作を自社で行うのはNG!内製化がおすすめできない3つの理由
オウンドメディアをはじめとする自社サイトに掲載する記事コンテンツの制作を、社内で行うのはおすすめできません。
「自社のことは社員が一番よく知っているから」と内製化したくなる気持ちもよくわかりますが、内製化すべきではない理由が3つあります。
- SEOやWEBマーケティングの全体像を学ぶのに時間がかかるため
- 通常業務とのかけもちになりコンテンツ制作が進まないため
- 適切に成果を評価することが難しく、不公平感が生まれやすいため
もちろん内製化できる環境が整っているのであれば、内製化をしても成果を上げることができるでしょう。しかし、多くの企業ではそうではありません。
上記3つの理由について、ここから詳しく見ていきましょう。
SEOやWEBマーケティングの全体像を学ぶのに時間がかかるため
記事コンテンツ制作を内製化すべきではない一つ目の理由は、SEOやWEBマーケティングの全体像を学ぶのに時間がかかるためです。
SEOやWEBマーケティングについてはわかりやすい書籍やYouTube動画、SEOを得意とする企業のノウハウ記事など初心者でも学びやすい環境が整っています。しかし、だからといって初心者がすぐに成果を上げられるというわけではありません。
私個人の体感ですが、SEOで一定の成果を上げられるようになるまでは、学びと実践を繰り返して3年ほどかかるのではないかと思います。
SEO対策ができる社員の育成には3年かかる。
独立したマーケティング部署がある場合は、上記にあてはまらないかもしれません。すでにWEBマーケティングについても一定以上の知見が社内に蓄積されている可能性もあります。
しかし、そのような場合でも内製化はおすすめできません。
なぜなら、マーケティングについての知識はあっても、今度は「文章力」という壁が立ちはだかるためです。
オウンドメディアのコンテンツは読まれなければ意味がありません。読者にとってわかりやすく、読みやすい文章を書くというのは、簡単なようで、実はとても難しいのです。
果たして「SEO対策ができて文章力がある社員」はどれほどいるものでしょうか?
通常業務とのかけもちになりコンテンツ制作が進まないため
記事コンテンツ制作を内製化すべきではない二つ目の理由は、通常業務とのかけもちになりコンテンツ制作が進まないためです。
おそらくほとんどの企業では、オウンドメディアを立ち上げることになっても、専属で人員を割くことは難しいでしょう。担当者は通常業務とのかけもちになるはずです。
しかし、記事コンテンツの制作には、まとまった時間が必要です。
学生時代の作文の授業やレポートの作成を思い出していただくとわかりやすいのではないでしょうか?
集中して文章を書いているときに話しかけられるなどの理由で中断してしまうと、何を書こうとしていたか忘れてしまったり、そのまま集中が途切れてしまったりしたものではありませんか?

記事コンテンツの制作も同じです。
オウンドメディア用の記事制作をしている最中に、同僚や上司から話しかけられたり、電話が鳴って対応しなければならなかったりすることは、一般企業では珍しくないはずです。
そうした「いつ中断が挟まるかわからない状況」で記事を執筆していると、どうしても集中することは難しくなります。
まとまった時間は取りにくくなり、通常業務を優先しなければならず、結果として記事コンテンツ制作は後回しになってしまうでしょう。そうすると当然、コンテンツ制作はなかなか進みません。
適切に成果を評価することが難しく、不公平感が生まれやすいため
記事コンテンツ制作を内製化すべきではない三つ目の理由は、適切に成果を評価することが難しく、不公平感が生まれやすいためです。
従来の営業手法であれば、契約件数で評価をすることが可能でした。
しかし、オウンドメディアの場合、WEB経由での契約のみを評価基準とすることは適切ではありません。
オウンドメディアの目的は、直接的に契約を増やすためだけではなく、ナーチャリング(顧客育成)にあることも少なくないからです。
つまり自社やサービスについて知ってもらい、信頼感を育むことがオウンドメディアに求められる役割となるのです。この場合、購入や契約はWEB経由とは限りません。
では、PV数(記事コンテンツが見られた数)での評価ならばどうでしょうか? これも、評価基準としては不適切です。
Googleの検索順位はしばしば変動します。それまで検索上位を取れていた記事がいきなり圏外へ飛ばされてしまうことも、その逆もあり得ます。検索順位が変われば、当然PV数も変動します。
PV数は担当者の努力に比例するものではないため、これを評価基準としてしまうと、頑張りに応じた評価をしてもらえていないと感じることもあるでしょう。
また、他の社員がどのように感じるかも大切です。コンテンツ制作の努力は周りからは見えにくいため、担当者が高い評価を受けると、自身と比べて不公平に感じる可能性もあります。

記事コンテンツ制作は、適切な評価基準を定めることが難しく、他の社員との公平性も保ちにくいという問題を抱えているのです。
記事コンテンツ制作を代行する3つのメリット
ここまで、記事コンテンツ制作を内製化すべきでない理由を解説してきました。コンテンツ制作の内製化は、社員の育成・コンスタントなコンテンツ更新・公平性のある評価の面から難しい課題を抱えてしまいます。
そのため、記事コンテンツ制作は代行を依頼すべきなのです。
ここからは、記事コンテンツ制作を代行する3つのメリットについて解説をしていきます。
- 新たに人材を育成する必要がない
- 本来の業務に集中することができる
- コンスタントにコンテンツの更新が可能
上記のメリットについて、ひとつずつ詳しく見ていきましょう。
新たに人材を育成する必要がない
記事コンテンツ制作代行の一つ目のメリットは、新たに人材を育成する必要がないことです。
SEO対策ができる社員の育成には3年かかると述べましたが、代行を依頼するのであれば、育成にかかる時間は不要です。
すでにSEO対策やWEBマーケティングのノウハウがあり、文章力も備えた専門のWEBライターにコンテンツ制作を依頼することができます。
また、コンテンツ制作代行は、育成コストの削減だけでなく、業務の属人化の防止にも役立ちます。
コンテンツ制作を内製化する場合、スキルがその個人に蓄積されてしまうため、容易に代替要員を見つけることができません。
しかし制作代行であれば、一定以上のスキルを持ったWEBライターを無数に見つけることができます。
記事コンテンツのレギュレーション(ですます調や、漢字の閉じ開き、文章の強調表現などのルール)さえ事前に定めておけば、執筆する人が変わっても記事の品質を保つことは可能です。
本来の業務に集中することができる
記事コンテンツ制作代行の二つ目のメリットは、担当者が本来の業務に集中できるということです。
コンテンツ制作を内製化する場合、どうしても業務をかけもちする必要が出てきてしまうことを述べました。この場合、本来の業務に支障が出てしまうか、コンテンツ制作の方が滞ってしまうことが懸念点でした。
しかし制作代行を依頼するのであれば、担当者は記事のチェックのみをすれば良く、本来の業務への影響が最小限に抑えられます。
制作代行で依頼できる内容は、主に以下の通りです。
- キーワード選定
- 記事の構成作成
- 本文執筆
- WordPressや自社サイトへの入稿
自社・担当者のリソースに合わせて、上記の一部、あるいは全部をWEBライターに依頼すると良いでしょう。
コンスタントにコンテンツの更新が可能
記事コンテンツ制作代行の三つ目のメリットは、コンスタントにコンテンツを更新できることです。
内製化の場合は本来の業務を優先しなければならないなど、社内の状況によってコンテンツ制作が滞ってしまう状況が考えられます。
しかし制作代行であれば、あらかじめ一ヶ月の納品本数を約束しておく、定期的に発注をするなどの方法によって、コンスタントに記事コンテンツを納品してもらうことが可能です。
定期的に質の高い記事が更新されるサイトは検索エンジンからの評価も上がりやすいため、コンスタントなコンテンツ更新は必須です。
担当者やディレクターに進捗管理は求められますが、完全に内製化してしまうよりも、制作代行の方がコンスタントにサイトを更新していきやすいでしょう。
外注WEBライターの5つの探し方
ここまで、記事コンテンツ制作は代行を依頼した方が良いということを見てきました。それでは、どうやって外注WEBライターを探したら良いのでしょうか?
ここからは、外注WEBライターの探し方について5つの方法を紹介していきます。
①クラウドソーシングサービスを利用する
外注WEBライターの探し方の一つ目は、クラウドソーシングサービスの利用です。
クラウドソーシングサービスとは「お仕事を依頼したい人」と「お仕事を募集している人」を結びつけるサービスで、報酬の一部が手数料としてサイトに支払われます。
有名なクラウドソーシングサービスには「ランサーズ」と「クラウドワークス」があり、そのどちらかを選んでおけばまず間違いありません。
どちらのサイトでもWEBライターの実績や評価を確認することができるうえ、一定以上の実績がある場合は「認定ランサー」や「プロクラウドワーカー」といった称号が付与されます。
そのため、実績が多い・評価が高いといった基準で気に入ったWEBライターに連絡を取り、仕事を依頼することも可能です。
また、仕事内容を登録してWEBライターから応募を募り、応募の中から良さそうなWEBライターに仕事を依頼するといった使い方もできます。
特に文字単価3円以上など条件の良い仕事であれば多くの応募が見込めるため、時間に余裕がある場合は、募集をかけてみると良いでしょう。
②編集プロダクションやコンテンツ制作会社に依頼する
二つ目の探し方は、編集プロダクションやコンテンツ制作会社への依頼です。
「記事コンテンツ」「SEOコンテンツ」「記事制作」などのキーワードで検索をすると、編集プロダクションやコンテンツ制作会社を簡単に見つけることができます。
編集プロダクションやコンテンツ制作会社のホームページでは、得意とするジャンルやSEO対策の知見、コンテンツ制作までのフローチャート、導入事例など複数の会社を比較・検討するための情報がふんだんに掲載されています。
「専門性」や「プロフェッショナル」を売りとしているコンテンツ制作会社も数多くありますが、品質が高ければ高いほど費用も高額になる傾向があるため、注意が必要です。
1記事あたりの相場も決まっているものではなく、文字単価1円レベルから文字単価20円レベルまで幅広く存在します。
同じくらいの実力のコンテンツ制作会社でも単価が大きく異なる場合がありますので、複数社の見積もりを取ることをおすすめします。
③SNSで探す・募集する
三つ目の探し方は、SNSでの募集です。
Twitter(現X)には多くのWEBライターが登録しており、「#Webライター」や「#Webライターと繋がりたい」というハッシュタグで発信をしている人が多くいます。
これらのハッシュタグで発信をしている人の中から依頼したいWEBライターを探すのも一つの手段です。
また、「#ライター募集」というハッシュタグもあり、こちらは読んで字の如くWEBライターを募集する際に使用するハッシュタグです。投稿に仕事内容をコンパクトにまとめ、ハッシュタグを付けて投稿し、リプライやDMで応募をしてもらうという使い方をします。
SNSでWEBライターを探すメリットの一つは手数料がかからないことです。
特に仕事を募集中のWEBライターは「#ライター募集」のハッシュタグをこまめにチェックしているため、手軽な募集手段として覚えておくと良いでしょう。
SNSを活用してのライター募集では、そのWEBライターが普段どのような発信をしているかを見ることができますので、炎上リスクのあるライターや守秘義務を守れないライターなど、「依頼すると危ないライター」を事前に避けることができるというのも大きなメリットです。
④検索エンジンから個人WEBライターを探す
四つ目の探し方は、検索エンジンから個人WEBライターを探すことです。
検索エンジンでWEBライターを探すと、個人WEBライターよりも先に編集プロダクションやコンテンツ制作会社が多くヒットしてしまうかと思います。
しかし、ayatsumuのようにWordPressやブログサービス「note」にポートフォリオなどを掲載している個人WEBライターも多くいます。
「お仕事募集ページ」を作っているWEBライターは、それまでの実績やサンプル記事、料金表などを公開している場合が多数です。
資料請求や見積もり依頼をしなくても実力や費用感がわかるため、求めているWEBライターを探しやすいというメリットがあります。
⑤自社ホームページで求人を出す
外注WEBライターの最後の探し方は、自社ホームページで求人を出すことです。
自社ホームページがあることが前提となりますが、業務委託という形式で、WEBライターの求人を出すという手段もあります。
- 手数料がかからない
- 金額などの条件をこちら側で決められる
- 自社に興味のあるライターからの応募が見込める
- 求人を見つけてもらいにくく応募されにくい
- サイトの見栄えが悪くなる
ある程度アクセスのあるメディアでなければ、そもそも求人を見つけてもらえず応募に至らないという可能性もあります。
そのため自社ホームページでWEBライターの募集を行っている企業はあまり見受けられませんが、ゼロではありません。
すでにある程度軌道に乗っているオウンドメディアを運営している企業などで、WEBライターの募集を同じサイトに掲載しているケースもあります。
応募数には期待しにくいためおすすめできる手段ではありませんが、こういった方法もあるのだと参考になりましたら幸いです。
記事コンテンツ制作を代行・外注する際に注意すべきこと
最後に、記事コンテンツ制作を代行・外注する際に注意すべきことについて簡単に触れておきたいと思います。
知らずに外注を進めてしまって余分な費用を払う羽目になったり、「思っていたのと違う」というミスマッチが起こったりすることを防ぐために、大切なことです。
特に「契約をしたらあとは丸投げで大丈夫だろう」と思っている場合は注意が必要です。
それではひとつずつ見ていきましょう。
編集プロダクションやコンテンツ制作会社が更に下請けに外注している場合がある
まずは編集プロダクションやコンテンツ制作会社に記事コンテンツ制作の代行を依頼する場合の注意点です。
コンテンツ制作会社には二つのパターンがあります。
- 自社に専属のWEBライターを抱えている会社
- ディレクターのみが在籍している会社
後者の場合、記事コンテンツ制作のためのキーワード選定や記事構成の作成、記事のチェックなどはコンテンツ制作会社で行うものの、記事の執筆はクラウドソーシングなどで外注をしている場合があります。
実際、クラウドソーシングで見つけられる仕事の中には、コンテンツ制作会社が依頼主となっているものも少なくありません。
記事の執筆を外注する分費用も安く依頼できるというメリットがあるように一見思えますが、それであれば直接個人のWEBライターに依頼する方が、コンテンツ制作会社にマージンとして取られるコストを削減できます。
また、記事コンテンツの制作が更に下請けに外注されてしまっている場合、コンテンツの品質も心配です。
品質の高い記事コンテンツを制作してもらうには、本文執筆を外注していない会社を選ぶか、自分たちの目で信頼できるWEBライターを探すのが良いでしょう。
丸投げをせず、定期的なミーティングなどで自社への理解を深めてもらうと良い
続いて、信頼できるWEBライター・コンテンツ制作会社を見つけた後の注意点です。
優秀なWEBライターやコンテンツ制作会社であれば、ほとんどの工程を丸投げしてしまっても高品質なコンテンツを納品してもらえます。
しかし、だからといってコミュニケーションを極限まで削減するのではなく、定期的にミーティングを行うなど、自社への理解を深めてもらうとより良いコンテンツの制作につながります。
目標は「ライターに自社を愛してもらうこと」と考えてもらうと良いのではないでしょうか。
機械的にSEO上位を狙うためのキーワードを探して記事を書き続けてもらうのではなく、自社の経営理念に共感してもらったり、製品やサービスを魅力的に思ってもらったり、顧客理解を深めてもらったりすることで、より「自社目線」でコンテンツを制作することができるようになります。
心が通った、血が通った記事は読者にも共感を呼びます。
目には見えにくいものでわざわざ時間を取る意味があるのか疑問に思われるかもしれませんが、個人的にはWEBライターとの定期的なミーティングはおすすめです。
記事コンテンツ制作の代行は、信頼できる個人WEBライターに発注するのがベスト
この記事では、記事コンテンツ制作を外注することをおすすめし、WEBライターの探し方、そして依頼の際の注意点について解説をしました。
外注WEBライターを探すには、以下のような手段があります。
- クラウドソーシングサービスの活用
- コンテンツ制作会社への依頼
- SNSでの募集
- 個人WEBライターを探す
- 自社ホームページで求人を出す
これらの中でも特におすすめなのが、「SNSでの募集」と「個人WEBライターを探す」の二つです。
クラウドソーシングは手数料の負担が大きく、コンテンツ制作会社への依頼は費用が高額になりがちです。また、自社ホームページでの求人は、アクセスの多いサイトでない限り良質な応募は見込めません。
無駄なコストを削減しながら高品質なコンテンツを納品してもらうには、個人WEBライターに発注するのがベストになります。
信頼のできる個人WEBライターの探し方のポイントは下記の3つです。
- SNSなど普段の発信に信頼感が持てる
- ポートフォリオやサンプル記事から実力がわかる
- 「この人と一緒に仕事をしたい」と思える
実際にやりとりをしてみないとわからない部分もありますが、オウンドメディアの運営などの施策は長期的に行うものです。
安心して長期間の関係を築けるパートナーを、ぜひ探してみてください。